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2割減少経営の時代?
 こんにちは。編集長の古屋です。デフレ経済の進行で、企業の業績が芳しくなく、給与が上がらず、消費が活性化しない状況が続いています。モノ・サービスの飽和化も相まって、生活者は価値を感じられるものしか買わなくなっています。特に、地方はこの傾向が顕著です。こうした経営環境を反映し、フィットネスクラブも緊縮経営を余儀なくされています。あらゆる投資・経費を従来の2割減にすることが求められているように思います。例えば、かつてのマーケットリサーチで延床面積900坪の設備投資が可能と判断していたところは、2割減して720坪にする。損益分岐点会員数もかつては3,000名に設定していたところを、2,400名にする。家賃、水道光熱費、広告宣伝・販売促進費なども同じように2割減にします(*現場最前線の人件費だけは性急かつ一律な見直しをすることはしてはいけません。現場最前線の人件費に手をつける前に、経営者、本社スタッフの順番で減らしていかなければいけません)。しかし、投資・経費以外も2割減では、もちろんいけません。まず客単価を2割増にして売り上げはそれほど変わらないようにすることが求められるでしょう。またシステム化と組織的な学習の推進からスタッフ1人あたりの生産性を2割増にして、顧客サービスを向上し、退会率/月を3%台から2%台に、紹介入会率/月を1%台から2%台にするような価値志向・定着志向の経営をすることが求められるでしょう。つまり、縮めながら、伸ばすこと。減少だけでなく、増大・拡充すること。減と増のあわせ技で経営することが求められているといえるでしょう。

 かつて新卒でイトーヨーカドーに入社し、その後退社し、コンサルタントとしてユニクロ、無印良品の改革に携わり大きな成果をあげ、さらにその後経営者として携わった薬局チェーンでも成功裡に改革を進めた大久保恒夫氏は、今、スーパーの成城石井の社長に就いていますが、ここでも、この不景気のなか、4期連続の増収増益を挙げています。この実績が評価されて、かつて新人時代世話になったイトーヨーカドーから、今度は顧問として招かれています。大久保氏の経営の基本は、値下げをせずに、多少高くても生活者が価値を感じる商品を提供することです。近著『実行力100%の会社をつくる!』(ダイヤモンド社・1,575円)において、「価格で奪った顧客は、必ず価格で奪い返される」「他店にない魅力的な商品を自ら開発して仕入れ、商品価値をしっかりアピールすれば、ディスカウントをしなくても、3倍売れる」といい、その具体的な秘訣をわかりやすく説明しています。価値志向の経営で、この変革期を乗り切ろうと考えているフィットネス業界のプレイヤーの方々に参考になるのではないでしょうか?

 上質さや快適性を魅力にした総合クラブが、利便性や安さを強みにするポジションのクラブと同様に、安売り、切り売りをするのはいかがなものかと思います。自ら魅力を減じているように思えて仕方がありません。集客や売り上げ確保のために、単なる値引き合戦にでるのではなく、もっとプライドをもって、自クラブが対象とするお客さまを見据えて、その方々1人ひとりに合った価値を提供するような経営をすることが求められているのではないでしょうか。一方で、利便性や安さを魅力にするクラブは、もっとその強みを出せるような仕組みをつくって、そうした魅力を求める生活者にアピールしていくことが求められるでしょう。数年後のフィットネス業界では、中間的なポジションをとって、マーケティング要素間にフィット(整合)がない、いわゆるミートゥクラブが減り、二極化がもっと進行するような気がします。時代の変化を読み、あるべき自クラブのポジションを見据え、打ち手を考え、速くそしてブレなく改革、革新にあたることが必要なのではないでしょうか。
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by fit_business | 2010-10-03 12:40 | 今日の編集部