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スペイン
メリークリスマス!今年のクリスマスイブもいつもの1日のように過ぎていく・・・岩井です。

 私からはスペインのクラブビジネス事情を簡単に。
 スペインは、社会保障制度がとても充実しているようで、医療費も国から出るし、年金もいい生活をするのに十分な額が貰えて、年金者にもボーナスが出るのだそうです。なので人々は貯蓄の必要がないので、お金が入ると後先を考えずどんどん使ってしまうとか。それで月末の給料日前になるとお金がなくなり、車のガソリンも買えなくなるので、月末は渋滞もなく、お店も空くという現象が起きるのだそうです。

 そんな国なので、フィットネス施設も公共施設が充実していて、民間クラブへのニーズは、それを超える付加価値にあり、相応のクオリティや、非日常感が求められることになります。
 マドリッドで私が一番好きだったのは、郊外にあったリーボッククラブ。ここはマドリッドの都心で7年間クラブを運営した運営会社が、その経験と反省をもとに、3年前につくったというクラブ。施設にもきめこまやかな工夫がありました。
 いくつか挙げてみると、エントランス周りは小さな健康モールのようになっていて、一般の方も、お買いものはもちろん、スポーツ医学の診察が受けられたり、スパ(エステやマッサージなど)サービスが受けられたり、子どものスイミングレッスンが申し込めたりと、幅広い商品(サービス)が提供されています。
 ICチップ搭載のメンバーカードで、自動改札を抜けたメンバー専門エリアは、クリーンでラグジュアリーな雰囲気。ロッカールームの床は水周りの近くは水はけに配慮された抗菌メッシュ素材になっている一方で、着替える場所は床暖房。フィットネスエリアでは、階段がパーソナルトレーナーが利用できるようにと、3種類の段差をつけていたり、壁もメディシンボールをぶつけることを想定して強化されていたり、クライミングウォールの前のクッションのフロアを大きめにとって、バランストレーニングにも使用したり。ファンクショナルトレーニングが自由自在に楽しめるつくりになっていて、トレーニングに親しんでいる人が造ったことがひしひしと伝わってくるおもしろい施設でした。

 今回の欧州は、3ヶ国それぞれ社会環境がまったく違う中で成功しているクラブを見ることができ、とても勉強になりました。やはり共通するのは、総合クラブの場合、ユニークな付加価値を提供して一定以上のお金持ち層をターゲットしているクラブが強いこと。ある程度生活パターンも、収入も安定している層が満足するクラブが勝組になりやすい。欧米ではそれが30-40代の少しお金持ちのシングルやヤングファミリーが満足できるクラブとなりますが、日本では、40-50代の子育てが終わった層になるのでしょうか。どちらにしてもF1層ではない、新たなターゲット設定のためのマーケティングが必要なのは確かなように感じます。
by fit_business | 2007-12-24 14:39 | 今日の編集部