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語る場
おはようございます。
電車の中や往来で人に話しかけられることが多いほうかもしれません。平井です。

休日の山手線でたまたま隣に座ったその女性は50代くらいで、「埼京線の渋谷駅」と「山手線の渋谷駅」がとても離れていることへの驚きのあまり、ついつい私に話しかけたという様子でした(これは、本当に驚くほど離れています)。
いまは埼玉の上尾に住んでいるけれど、お嫁に行く前は高田馬場駅から5分のところに住んでいたのだということ、上尾に嫁いでからの驚き・・・電車の数の少なさ、都市ガスとプロパンガスの火力の違い、最近ようやくトイレが水洗になったことなど、つぎつぎに話してくれました。都会育ちのその人は慣れない生活でたくさん苦労したのだろうなあ、と与えられた情報だけで小さな想像をしながら私は相槌を打って、別れるときに「じゃあ」と差し出された手の厚くてしわしわであたたかい感触がいつまでも残りました。

その帰りの山手線のなかで、今度は80代ぐらいの女性に話しかけられました。本当は行き慣れた方法があるのだけれど節約しようと電車に乗ったら迷ってしまったこと。去年の9月にご主人が亡くなって、年金給付額の知らせが来たらなんと月5万円でびっくりしてしまったこと。ひとしきり話してから、一人分の食事はおいしくできないし高くつくから毎日スーパーでお弁当を買っているんです、と少し恥ずかしそうに笑いました。いまも後期高齢者医療制度のニュースを聞くたびに、「よけいなことをたくさんしゃべってしまってごめんなさい」と小さな体をちょこんと折り曲げたその人のしぐさを思い出して、何ともいえず胸が痛くなります。

一人の女性が半世紀以上も生きれば語れるストーリーは山ほどあって、でもそれを語る場所が昔のようにはたくさんなくなってきています。そんな女性たちの「語る場」としてのフィットネスクラブの価値は、私が想像していた以上に大きいのだろうと思います。
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by fit_business | 2008-04-21 08:40 | 今日の編集部