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今期の施策
 こんにちは。編集長の古屋です。フィットネス業界も5月に入り、各社の決算発表が続いていましたが、ほぼ出揃いました。中堅企業以上では、メガロスが増収増益(既存店の会員数は前期比100.5%、既存店の売上高は同99.2%)でしたが、総じてどこも大きな飛躍はありませんでした。残念です。しかし、そういう時期もあるのは当然です。他社と競争して非常識な条件で無理やり出店しても何の意味もないばかりか、将来必ず自社の首を絞めることになります。ただでさえ、今は建築費など出店コストが高騰しています。新規出店を抑えれば、その分売り上げの伸びは低くなるのは当然です。数店出店している会社も期中の出店分の入会数が少なければ、それほど売り上げの伸びに繋がらないうえ、今は開業費を繰り延べせずに一括で費用計上するところが多いですから、収益を圧迫します。と、新規出店について述べてきましたが、収益力をつけることが目的のひとつであるとすると、フィットネスクラブ経営企業の場合、他にも(1)既存店の業績の維持・向上(2)新規事業・付帯事業の創造(3)コストマネジメントという施策が、考えられます。各社の決算に関する総括と今期の施策を聞くに、新規出店を含めたこれら4つをいかにバランスよく取り組んでいくかということがいわれていますが、とりわけ各社が重視しているのは、既存店の業績の維持・向上です。ここが固まらなければ成長すればするほど、逆にリスクを抱えることになります。既存店の数が、そのまま「含み損」になるような経営は避けなければなりません。メガロスのように定期的に施設をリノベーションするのはもちろん、ソフトも革新していかなければ、健全な成長はできないのではないでしょうか。各社は、今期このソフト改革、オペレーション改革に本格的に取り組もうとしています。特に、前期入会不振の原因となった若年層へのマーケティングと在籍会員の満足度・継続率の一層の向上に取り組もうとしています。具体的には、お客さま(見学者を含む)へのフロント対応の改善、ジムなどの初期定着促進のための新オペレーションの導入、多様なニーズに対応するプログラム(サーキットジムの付帯やサテライト店の展開を含む)の整備、好調なスクール事業の強化、個別プログラムやレンタルサービスなどオプションサービスの提供、若年層のインサイトを捉えた会員種別の設置と効果的・効率的なプロモーションへの取り組みなどです。こう書いてしまうと、いずれも「当然」と思われる方がいるかもしれませんが、すべてのマーケティング要素を整え、強く、固有のバリューチェーンをつくるのは、そう簡単ではありません。ですが、成長のためには、今期こうした各種の改革に取り組まなければなりません。いや、今期だけではなく、継続して取り組み、成果を出さなくてはいけません。
by fit_business | 2008-05-18 17:58 | 今日の編集部